令和3年度 「対馬市 ‐ 仙台市」 オンライン交流授業の様子

宮城県仙台市の八木山動物園フジサキの杜には、なぜか長崎県対馬市の在来馬「対州馬」がいます。

この「なぜ?」から始まる、アクティブラーニングを対馬と仙台が繋がって、同時刻で年4回の授業を開催中です。

 

アクティブラーニングは、子どもの能動性を引き出すことが大切です。

私たちは「(その子の)馬好き」の興味を引き出すこと、また時間を気にせず深掘りできる提案を心がけて準備してきました。

 

今回、双方の地域の「馬好き」がオンラインで繋がり、「なぜ、対州馬が仙台市にいるのか?」から始まった、絶滅が危惧される対州馬を題材に「過去」と「現在」の知識を取得し、そして未来「これから馬と共にどう暮らしていけるか?」を考える授業をしております。

 

コロナ禍を追い風にして、リモートを活用し、新たな学びの挑戦をしております。


総集編 4回開催された授業まとめ

パカラッチョは、平成30年に文科省が改定した指導要領を基に「アクティブラーニング」の塾を目指しています。 「なぜ、長崎県対馬市の日本在来馬『対州馬』が仙台八木山動物公園フジサキの杜にいるのか?」をテーマにオンラインで対馬と仙台の子どもと探求スクーリングを行いました。 参加した子どもたちのキラキラした笑顔が一番の成果ではありますが、それ以外にも多面的に成果をだすことができました。 【主な成果】 〇八木山動物公園フジサキの杜にいる動物の中で、対州馬にスポットを当て注目を集めたこと。 〇オンラインを活用して対馬と仙台の人の交流を始めたこと。 〇対州馬を学習教材として、馬からはじまる知的好奇心の深さ、および可能性を見える化したこと。 〇以上の取り組みから、眼差しを対馬に向けて、ふるさと納税を活用した経済への波及効果。 などです。 来年度はさらなる発展を目指して取り組んでいく所存です。


1回目 馬の身体測定

初回は、まず馬のことを知ろうというテーマで授業は進みました。

対馬教室は「対州馬」、仙台教室は「北海道和種」の身長や蹄の大きさ、性格などいろいろと馬のことを学びました。

 

人見知りが多かったこともあって、コミュニケーションを取るまでに至りませんでしたが、顔見知りになれました。

 

 

 

 



2回目 歴史から繋がりを知る

歴史を紐解いていくと、伊達藩と対馬藩は、江戸時代に交流があったことが分かってきます。

通常の歴史教育で登場する伊達政宗は、対馬の藩主 宋義智(そうよしとし)と、馬や鷹などの贈り物を送り合っていたそうです。

 

テストで点を取るために覚えがちな「伊達政宗」というキーワードに関して、自分の「好き」から繋がった人物となり、地域に根付いた歴史を学ぶことができました。

 

こういった授業を通して、少しずつ、双方の子どもたちが繋がっていきました。



3回目 馬とのくらしについて

コロナ禍の緊急事態宣言によって、完全オンラインで授業を開催しました。

 

オンライン(バーチャル)授業でも「実態感」や「自分ごととして捉えられる」ことを大事に内容を詰めました。

 

クイズやゲームから始まり、双方の地域のインストラクターが「なぜ、在来馬に惹かれたか?」を語ることによって、隔たりを埋める工夫をいたしました。

 

動画の後半には、宿題提出という形で、彼らの成果物が出てきます。彼らは能動的に宿題に取り組み(先生や保護者に「宿題やりなさい!」と言われず)、興味深いレポートを提出してくれました。

 

アクティブラーニングらしい成果物がでつつあります。 



4回目 吉原先生 仙台に来る

オンラインで繋がっていた吉原先生が対馬市から仙台市へ来てくれました。

仙台の子どもたちは、初めて吉原先生と会ったのに、身近に感じるところがとても新鮮なだったようです(リモート授業の特徴ですよね)。

 

 

授業は、八木山動物公園フジサキの杜で展示されている対州馬に、昔の運搬方法、駄馬(馬の背に荷を背負わせる)の様子を見学しました。

 

過去の馬の仕事を見て、現在はトラックや自動車が、これらの仕事をしている代替している現代を実感するのでした。そして改めて、現在51頭しかいない対州馬が絶滅危惧種であるかを確認しました。

 

「これらの未来どう馬と関わっていくか?」という課題を子どもたちの心に残して、4回の授業を終えることができました。