今年度、馬とのふれあい教室「放課後パカラッチョ」から、「馬とくらす」にリニューアルオープンして半年が経ち、その経過報告をいたします。大きな変更箇所は、座学が中心の「馬の探究プログラム」が加わったことです。
既存の「乗馬教室」や「教育」の概念をバラバラにして、ゼロベースで作ってきました。その中でも、長崎県対馬市の子どもたちとの交流が独自の発展をすすめております。なぜ宮城県仙台市と長崎県対馬市という一見ご縁の無い地域の子どもたち同士が交流しているのでしょうか?それは、ある「?」から深掘りをすすめ、知の興味が枝葉のように広がった結果であります。歴史的な繋がりを発見し、知の探究を進める総合学習のコンテンツとして昇華いるので、その一部をご紹介いたします。
身の回りの「なぜ?」を拾い上げ、その先を掘り進めた結果、対馬市との交流が始まりました。
「なぜ、仙台市にある八木山動物公園フジサキの杜に長崎県対馬市の対州馬がいるのか?」
令和3年度 まとめ
伊達藩の青葉城下にあたる「追廻地区」で出張乗馬教室を行っていました。その近くにある八木山動物公園フジザキの杜には、なぜか、生存する日本在来馬8種類の中の長崎県対馬市の在来馬「対州馬」だけが展示されていました。
この疑問から、対馬の子どもたちも巻き込んだ深掘り授業が始まりました。
江戸時代の仙台と対馬
深掘りを進めると、意外なことが分かってきました。
江戸時代、伊達藩の伊達 政宗公と対馬藩の宗 義智公は交友関係にあった記録が残されていました。
現在仙台に対州馬がいる背景にこの繋がりがあったかどうか?今のところ定かではありませんが、深いご縁を感じずにはいられません。
文学と歴史
江戸時代の紀行文「奥の細道」にでてくる馬の句「のみしらみ 馬の尿(ばり)する 枕もと」
蚤に虱におしっこに…汚い情景が浮かんできますが、実際にこの句の詠まれた封人の家にいってみて
地元の方のお話を聞くことで、また違った風景が見えてきました。
子どもが調査に参加
松尾芭蕉という著名人の作品から紐解き、生徒の地元にある馬頭観音の調査へと枝葉は伸びていきます。
仙台には、以前、地域に馬がいたことを知っている方がご存命であり、貴重なお話が聞けることが分かりました。今回は木曜日のチームでフィールドワークにでかけました。各曜日ごとで、調査に行く予定です。
相互の往来の予感
令和4年11月27日 対馬との交流会を行いました。
テーマは「旅」。仙台と対馬の子どもたちが、双方を往来し合う日を夢見て授業をつくりました。
内容は、対馬の吉原先生がご来仙し、封人の家や富山馬頭観音を一緒に見に行った内容となっています。
来年度に向けて、対馬側の子どもたちへミッションが発令されます。オンラインを通して、お互いにミッションを達成しながら、交流を深めていきます。